どうして虫歯ができるのか?

私たちの口の中には、たくさんの細菌が棲んでいて、その中には複数の虫歯菌も含まれています。その虫歯菌が作る酸によって、歯が溶かされてできるのが虫歯です。

虫歯菌はいくつかの種類がありますが、代表的なものを「ミュータンス菌」と呼んでいます。ミュータンス菌は生まれつき口の中にいるのではありません。1歳半~2歳半頃に、親などの養育者から口移しで食べ物をもらったり、同じ食器を使ったりすることで感染するのです。

ミュータンス菌は、食べ物の中の糖分から、グルカンというネバネバの物質を作って歯にくっ付きます。このネバネバした物質には、ミュータンス菌意外にもたくさんの細菌が含まれていて、これを歯垢(プラーク)と呼びます。

プラークの中に潜んだミュータンス菌は、さらに食事などで摂った砂糖や炭水化物を分解し、酸を作って歯を溶かします。この酸が歯のミネラル分(リン酸やカルシウム)を溶かすことを「脱灰」といいます。しかし食事を終えると、唾液の働きで、溶け出したミネラル分は再び歯の中に戻ります。これを「再石灰化」といいます。

私たちが食事をするたびに、歯の表面ではミネラル分が溶けたり、戻ったりしています。つまり、この脱灰と再石灰化が繰り返されているのです。しかし、唾液の力で戻ってくるミネラル分よりも、酸によって歯から溶け出すミネラル分のほうが多い状態が続くと、このバランスが崩れ、虫歯ができるのです。

虫歯はミュータンス菌によって引き起こされる感染症ですが、菌を持っているから、必ず虫歯になるというわけではありません。

虫歯ができるためには、ミュータンス菌とその栄養になる糖分、時間という三つの条件が揃う必要があります。糖分が口の中に入ったからといってすぐに虫歯になるわけではなく、糖分とミュータンス菌が歯についている状態がある程度続くことで、徐々に歯は溶けていくのです。

ミュータンス菌は歯の表面についているプラークの中に潜んでいます。プラークを落とすのにもっとも効果的な手段は正しい歯磨きです。「食後や就寝前に歯磨きを」といわれるのは、このためなのです。

食事の内容や頻度、プラーク、ミュータンス菌、唾液の量といった複数の要素が絡み合って、虫歯はできます。極端な例ですが、歯磨きをしなくても口の中にミュータンス菌がいなければ、ひどい虫歯にはなりません。逆にミュータンス菌がたくさんいても、甘いものをほとんど食べず、十分な量の唾液が出ていて再石灰化が盛んであれば、やはり虫歯にはならないでしょう。

また生えたての歯は石灰化が不十分なので、虫歯になりやすいものです。しかし日々の唾液の力で再石灰化を繰り返すうちに、どんどん歯質が硬くなっていきます。そのため永久歯が虫歯になりやすいのは、一般的に30歳ぐらいまでといわれています。そして高齢になると、また虫歯リスクが上がります。高齢者は、とくに歯周病治療を受けた後に歯茎が下がり、歯の根面が露出します。根面は歯の頭の部分より弱い酸でも脱灰するので、高齢になると虫歯になりやすくなるのです。


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