虫歯になりやすい年齢、なりやすい歯

大人の歯に比べると、子どもの歯は虫歯になりやすいものです。乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯の表面が未成熟なため酸に弱く、虫歯になりやすいのです。このため乳歯の生え始めの1~2歳、永久歯の生え始めの5~8歳くらいの時期は、一生のなかでも最も虫歯になりやすい時期です。つまりこの時期を無地に乗り切れば、虫歯ゼロにも手が届くのです。

高齢になって歯茎が下がって露出した歯根も、虫歯になりやすい部分です。このように見ると、歯の性質だけでも、虫歯のなりやすさ、なりにくさは様々だということがわかります。虫歯の治療も予防も、年齢によって大きく変わる歯の性質を計算に入れて進める必要があります。

ミュータンス菌がつくる酸や唾液の条件が同じでも、虫歯になる歯とならない歯があります。同じエナメル質でもタービン(歯を削る器具)をはじくほど硬い歯と簡単に削れてしまう歯があるのです。この違いは、歯が生えた直後の環境によって生まれるようです。

歯肉から顔を出したばかりの歯の表面は、誰の歯もとても弱々しいのですが、脱灰と再石灰化を繰り返し、次第に成熟して強くなっていきます。

歯の硬い成分は様々な不純物を含んだリン酸カルシウムからできています。口の中の細菌が酸をつくり、歯の表面が酸性になると、ある種のリン酸カルシウムからミネラルが溶け出します。溶け出したミネラル(リンとカルシウム)は、すぐそばでより溶けにくい種類のリン酸カルシウムになって沈殿し、酸に強いリン酸カルシウムの結晶が成長します。このような脱灰と再石灰化を繰り返して歯は強くなっていくのです。とくに再石灰化のときに口の中にフッ素イオンがあると、酸に非常に強いフルオロアパタイトという結晶ができて、硬いエナメル質になります。こうした理屈で歯質の強さには個人差があるのです。

フッ素は、お茶や魚の骨、えびの殻などに多く含まれています。精製度の低い自然の塩もたくさんのフッ素を含んでいます。干した小魚などを食べて育った子どもは、硬い歯になる理屈です。フッ素は歯を強くするだけでなく、細菌や酵素の働きを抑制し、細菌が酸をつくりにくくする働きも持っています。

子どもの歯は虫歯になりやすいのですが、誰もが同じ条件ではありません。エナメル質の性質、唾液の性質、細菌の種類などの違いのために、努力しなくても虫歯になりにくい子どもと、注意していても虫歯になってしまう子どもがいます。そのなりやすさ、なりにくさを無視して、「甘いものは絶対ダメ」「もっとしっかり磨きなさい」と命じても、子どもには理解できません。

乳歯に小さな虫歯をつくってしまっても、それほど心配はいりません。乳歯の治療をしながら、それを虫歯のない大人の歯にするためのワンステップにすれば大成功です。リスクの集中する時期に注意すれば、虫歯ゼロを維持することも十分に可能です。


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