自分の弱点を知る

見て触って、あるいはX線写真によって虫歯ができたことを知る人は多いでしょうが、虫歯といういう病気を治そうと思ったら、その段階ではちょっと手遅れです。糖尿病はひどくなると、目や腎臓の障害を引き起こしますが、障害が出る前に血糖値を知っていれば、症状が出ないようにコントロールすることができます。これと同じように、虫歯を初期のうちにコントロールするためには、自分の口のなかのリスクを把握し、その弱点を改善すればよいのです。この弱点を知るために行われるのが、リスク検査です。

もちろん、虫歯には非常にたくさんの因子が関わっていますから、現状のリスク検査にはまだまだ改善の余地があります。しかし、弱点を知らないまま手探りで対策を立てるのに比べて、効率的な対策を立てられるようになりますし、発症の危険の高い人を見逃す恐れもなくなります。

では、弱点を知る5つのリスク検査をご紹介します。

1.唾液の量と性質

一定の時間、味のないものを噛み、唾液が出る量を測定します。これによって、刺激唾液の分泌速度がわかります。測定不可能な場合は、舌の下(口腔底)にたまっている唾液から推測することもあります。唾液の分泌速度は、体調や精神状態に影響されますが、極端に分泌量の少ない人がしばしば見つかります。この場合、常用している薬の副作用や唾液線障害などが疑われます。上手にものが噛めない場合も、上手く分泌されません。

また同時に粘稠度(ベトベト感)を観察します。分泌量が少なければ、唾液は糸を引くようにベトベトした感じになります。唾液の量や性質が弱点の場合には、常用薬物の検討と共に、咀嚼能力の改善などが主な対策となります。

唾液の量、粘度に続いては、唾液の働き具合(緩衝能)を測定します。緩衝能とは、酸を中和する能力です。この能力は、主に唾液のなかの重炭酸の濃度によって決まりますが、かなりの個人差があります。

2.唾液中の虫歯の原因菌の量

虫歯の原因となるミュータンス菌は、丁寧なブラッシングでプラークを取り除くことで、一時的に減少させることができますが、またすぐに復活します。このミュータンス菌の量が多いと、虫歯をつくるリスクが高まるのです。

そこで、唾液中の原因菌の量を調べることになります。検査用のスティックをなめて、それを薬品と共に培養することで簡単に調べられます。

この検査で原因菌の量に問題ありとなった場合、主な原因菌であるミュータンス菌を減らすには、口のなかの細菌バランスを変える必要があります。

3.飲食回数

これは問診によって調べます。飲食回数が多ければ、虫歯の原因となる糖を摂り続けていることになります。また、喉の薬やスポーツドリンクなど、本人が意識せずに糖分を摂っている場合も少なくありません。このリスクは、飲食のタイミングや内容を変えることで、簡単に改善できます。甘いものを摂りながら無理なく糖を減らすには、代替甘味料も役に立ちます。

4.フッ化物の利用状態

フッ化物の利用は特別なことではなく、すでに歯を守るうえでは常識です。現在では市販歯磨き剤の9割近くフッ素が添加されています。ただ、正しく使わないと、あまり効果があがりません。診療室の定期管理では、通常専門的な清掃のあとにフッ化物を使います。

5.過去の虫歯の経験

たとえ、現在は虫歯のリスクが低くても、過去の虫歯経験が多い場合、口のなかの環境を改善した状態が長続きしない可能性があることを意味しています。過去は変えようがありませんが、現状を知る大きなヒントになります。また、最近新しい虫歯ができたのであれば、リスクが非常に高まっていることを示しています。


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