穴の処置のキーポイント

虫歯の穴の処置には、三つのキーポイントがあります。

まず一つ目は、歯のなかに入り込んだたくさんの細菌を除去、殺菌することです。そのために、感染した象牙質を削り取ります。けがに例えると、細菌が入り込んで膿んだ組織を切り取り、消毒する処置です。

二つ目に、削り取ることによってむき出しになった象牙質の傷口をふさぎ、保護する処置です。これは象牙質と一体になった組織である歯髄を守るための処置でもあります。けがの処置でいえば、包帯をかけるようなものです。

手足のけがなら、自然に皮膚が再生され、骨や肉がむき出しのままになることはありません。しかし、歯では皮膚にあたるエナメル質は再生しないので、三つ目のポイントとして穴を金属、プラスチック、セラミックといった人工の材料で埋めて、もとの形を復元します。また最後に、色も自分の歯のようになれば、さらに満足です。

患者さんの目には、穴を埋めて外見を回復した姿しか見えませんが、しっかり細菌を除去したり、傷口を保護して、歯のなかの歯髄を守る「見えない」処置こそが大切なのです。

なぜなら、歯は一見死んだ組織のように見えますが、そうではないからです。硬い歯は、象牙質と一体になった歯髄によって体液を内部から受け取り、痛みを感じたり、刺激に反応したりしています。歯を「生きた組織」にしているのは、この歯髄なのです。

歯髄を守るために、細菌に感染した歯質をていねいに除去し、傷口をしっかり保護するといった「歯を守る」処置が痛くなければいいのですが、残念ながら痛みのない治療と、歯を守る治療は両立しないこともしばしばです。

感染した歯質をしっかり除去しようとすると、どうしても痛みが出ます。また歯質を除去した結果、歯髄がむき出しになり痛むこともあります。歯髄を除去すれば、とりあえず痛みはなくなりますが、歯は死んでしまいますし、除去後の経過は必ずしもよくありません。

また削るとき、痛みのないように麻酔をすると、血行が悪くなり歯髄がダメージを受けやすくなるうえに、患者さんが痛みを訴えないので歯を削りすぎてしまう傾向があります。患者さんの喜ぶ「痛くない」治療は、技術的には簡単ですが、いいことばかりではないのです。

このように「痛くない」治療は、「歯を守る」治療とはいえない場合もあります。治療の選択肢は患者さんです。どの治療法がご自身にとって一番よいのか、歯科医師からの説明をしっかり理解したうえで決めてください。


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