歯周病の治療はまず検査から

歯周病のリスク因子の検査

 歯周病の原因は細菌がつくるバイオフィルムです。バイオフィルムなしには歯周病は起こりませんが、バイオフィルムだけでは歯を支える骨が溶けることはありません。そこにはたくさんのリスク因子が関わっています。歯周病の検査では、歯周病の状態を調べるとともにこのリスク因子を調べます。
 リスク因子のひとつは遺伝的な素因です。とくに破壊の速い歯周病は、兄弟姉妹の4~5割の人が同じように悪くなっています。免疫の異常や免疫グロブリン(免疫グロブリンは血液や体液中にあって抗体としての機能と構造を持つ蛋白質の総称で、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスに分かれている) の遺伝子多型が注目されますが、何よりも有効なのは家族を診察することです。家族単位の診察をするだけで、遺伝と生活習慣の両方を診査し、改善を図ることができます。
 また、喫煙、精神的ストレスなどの生活環境や習慣、そして噛みしめ、歯の特殊な形態や不良な修復物の有無なども、歯周病の重症化に深く関わっています。喫煙習慣は歯周病原性菌よりもむしろ大きな影響をもっています。喫煙歴を知ることは、歯周病の診査の基本です。

まず、歯周病の状態を知る

 かかりつけ歯科医であれば、初期の歯周病を見つけて治療することはわけのないことです。家族でかかりつけになっていれば、親子に共通の因子に注意を払って対処することも可能です。かかりつけ歯科医をもっている場合ともっていない場合では、歯周病の治療はまるで違ったものになるでしょう。相手にするのが慢性の病気なのですから、かかりつけであれば診断も治療も簡単になるのです。
 これまでとくに自覚症状がなく、歯ブラシを使ったときに血がにじむことに気づいて受診したという程度なら、治療は比較的簡単でしょう。
 このような状態で歯科医院を受診すると、まず歯周ポケットの検査(ポケット・プロービング)をします。歯垢(プラーク)をきれいに除去して、歯肉の腫れがおさまってから、細い針のような器具(先は尖っていない)を歯と歯茎の隙間に差し込みます。すべての歯の周囲を測定します。歯周ポケットがどれくらい深くなっているか、歯肉の内側から出血があるかないかを調べるのです。

「リンゴをかじると血が出ませんか?」

 骨が溶けたり、歯周ポケットが深くなっているのは、過去に歯周病がひどかったことの痕跡かもしれません。現在、歯周病が進んでいるかどうかを最も正確に教えてくれるのは、歯周ポケットの内側からの出血です。「リンゴをかじると血が出ませんか?」というテレビコマーシャルがあったことをご存知ですか?このキャッチコピーで知られるライオンのハミガキ「デンターライオン」が誕生したのは1964年2月のこと。日本人の3人に1人、およそ3000万人が「歯槽のう漏」にかかっているとの当時の国の調査をきっかけに、市場に例のなかった「歯と歯グキのためのハミガキ」として新たに発売したという経緯があります。これは歯周病の兆候をたずねる適切なフレーズです。
 虫歯のリスク検査のほうはまだ十分に普及していませんが、歯周病についてはかかりつけの歯医者さんであれば検査をうけることができるでしょう。
 ポケット・プロービングとともに最も重要な検査はX線検査です。かかりはじめの歯茎の病気は、X線写真でみても、ほんのわずかな兆候しかありません。でも、いつも定期的に管理を受けている歯科医院であれば、歯を取り囲む骨のほんのわずかな変化に気づくでしょう。口腔内のX線写真を用いて現在の状態を詳しく説明してくれるなら、X線写真は有効に生かされていると思っていいでしょう。

老化で歯が抜けてしまうことはありません。歯を失う大半の原因は、虫歯と歯周病です。歯を失うまで治療をしない人は滅多にいません。ですから、歯を失う本当の理由は、不適切な虫歯の治療と不十分な歯周病の治療です。歯を失わないために知っておくべき歯周病の知識を身につけましょう。


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