歳を取ると歯周病になりやすくなるのはなんでだろう?

歯周病は、歯茎の溝に棲息する歯周病菌によって起こる病気です。細菌感染により歯茎に炎症が生じ、炎症が進むにつれて歯茎の組織や歯を支えている骨が壊されていきます。

歯茎の組織がどのくらい破壊されているかは、歯と歯茎の間に「プローブ」という細長い器具を入れて、溝の深さを測ることでわかります。一般に、この深さが4mm以上になると「歯周ポケット」と呼ばれ、歯周病であると診断されます。

歯周病になる人は、中高年からシニア期にかけて確かに増加します。厚生労働省が行った調査によりますと、歯周病になっている方(4mm以上の歯周ポケットがある方)の割合は、20~30代では約3割ですが、50代では半数を超え、60代後半では約6割に達します。また、歯周病が重症化する方も、50代頃より急激に増加し始めます。

歳を取ると歯周病の方が多くなるのは、長年の生活習慣(喫煙など)の蓄積や全身の病気(糖尿病など)の影響に加えて、次の3つの加齢による歯茎の変化が関係すると考えられています。

1つ目は、歯茎の免疫力の低下です。全身の免疫を担当する細胞のうち、加齢の影響をもっとも受けやすいのは、「T細胞」(リンパ球の一種で、骨髄で産生された前駆細胞が胸腺での選択を経て分化成熟したもの)です。

T細胞は胸腺(リンパ器官の一つで胸骨のうしろ側にあり、幼少時の身体の発育と密接な関係があるとされ、年齢とともに次第に退化する)で育つのですが、胸腺は加齢とともに小さくなるため、血液中に新しく供給されるT細胞の数が減少し、増殖する能力も低下します。全身の免疫機能が低下すると、歯茎の免疫力も低下して、歯周病菌から歯茎の組織を守る力が弱まります。

2つ目は、歯茎の細胞の老化です。歯茎を構成する細胞を実験的に老化させた研究によると、老化した細胞は若い細胞に比べて、歯周病菌が持つ毒素の刺激を受けたときに、歯茎の組織を破壊する炎症性の物質を多く産生することが報告されています。また、歯茎を再生する細胞の活性も低下することから、歯周病の治療を受けたあとも歯茎の組織の再生が起こりにくく、起こったとしても若いときより時間がかかると考えられています。

3つ目は、歯茎の血管の変化です。動脈硬化(老化現象を起こした血管が硬くなってしまった状態)という病気があるように、動脈は加齢とともに血管壁(血管の周囲を構成する管状の組織)が厚くなり、その結果、血液の通り道が細くなって血行が悪くなります。

このような血管の変化は、歯茎の組織に血流を送っている下顎の動脈(下歯槽動脈)でも見られます。この動脈の血行が悪くなることで、歯茎の組織に栄養や免疫細胞が十分に運ばれず、歯茎の自然に治る力や感染への抵抗力が弱くなる可能性があります。

シニア期は、悪玉(体に悪い影響を及ぼす)の歯周病菌が増えたり、歯茎がやせてプラーク(歯垢)が溜まりやすくなる年代です。歯茎を加齢から守るためには、歯科医院を定期的に受診して、歯茎の状態のチェックやお口の清掃を受けることをお勧めします。


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