呼吸・ことば・嚥下

赤ちゃんは、口で息をしない

生まれたばかりの赤ちゃんは口で息をしません。産道から出てくると、勢いよく口から息を吐いて、それが産声になります。でも、口で息を吸うことはありません。ですから、新生児は鼻がつまっていると苦しがります。生まれてしばらくの間、鼻がつまると、すぐにお母さんは、赤ちゃんの鼻を吸ってやるわけです。赤ちゃんは、何分間でも平気で母親の乳首を口に含んでいます。赤ちゃんは、上手に鼻だけで息をしています。

口で息ができる能力によって言葉を獲得

赤ちゃんが成長して、自由に息を操ることができるようになるにつれて、いろいろな発音ができるようになります。最初は、「ンーマ、ンーマ」というような、鼻を使った音から始まります。耳で聴いた音を口でマネしながら、音を覚えていきます。次第に、声帯や舌や口唇を自由に操って、耳で聴いた複雑な言葉を再現し、覚えるようになります。

人間が、口で自由に息ができるのは、気道が喉の奥で食べ物の通り道といっしょになって大きな口に開いているからです。このために、誤って気道に食べ物が入ってしまうことがあります。赤ちゃんが成長すると、コップで水が飲めるようになりますが、間違って水分を気管に入れてむせてしまうことがあります。苦しい経験をして正しいを嚥下を学習していきます。

脳卒中のリハビリは口から

高齢化が進んでうなぎのぼりに増えている病気があります。脳卒中です。脳卒中は、そのリハビリも含めると高齢者医療費のトップ、総医療費の一割を占める病気です。そのリハビリはまず、口からです。食べて、飲み込めて、話せるようになれば寝たきりにはなりません。

脳卒中のリハビリはある面で赤ちゃんの発達を再びやり直すことといえそうです。脳卒中でもよくむせる人は口から食べる訓練をして食べられるようになるそうです。リハビリ不能なのはむせない人です。

子どもの発達と高齢者のボケ

目や耳のように離れて感じる感覚よりも、まず舐めたり触ったりする感覚から発達します。W ペンフィールド「感覚のこびとと運動のこびと」の絵が表すように大脳皮質の大半をこの感覚と運動が占めるのです。とくに口唇感覚はすべての知覚の基盤になります。口唇や舌で手あたり次第に舐めまわすことによって、例えば丸いという身体感覚が出来上がるのだといいます。高齢者のボケ防止もこの赤ちゃんの発達と同じ理屈で、指や舌や口唇の感覚を刺激し、それを運動させることで運動のこびとを元気にすることができます。


「きっかけ」は、あなたの未来を変えることができる好機です。アールクリニックを「きっかけ」に、健康な未来にしてください。皆様のご来院お待ちしております。

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