力のコントロールで歯とあごを大切にしましょう!

「ブラキシズム」とは、キリキリと音を立てる「歯ぎしり」、そして音を立てずに強く歯を噛みしめる「噛みしめ」を合わせた過剰な力の総称です。このブラキシズムは、たいへん頭の痛い問題なのです。なかでも睡眠中のブラキシズムは自覚がないだけに、制御不能な大きな力で患者さんの大切な歯、歯を支える組織、そして顎関節を傷めてしまいます。

何度も通院していただき、せっかく快適になった患者さんの治療が長持ちしないことも、深刻な問題です。材料を選び、設計を工夫して手をかけた治療をご提供しても、その結果が長持ちしないのでは、患者さんの信頼を損ねることになりかねません。

大切な歯、そして顎関節を守り、治療が終わった快適な状態をできるだけ長く維持していただくには、スプリントを使った力のコントロールが極めて重要であると考えています。

じつは睡眠時のブラキシズムは、人口の5~15%がしていると言われ、決して珍しいものではありません。子どもから大人まで、多くの方が行っています。

たとえば、子どもの睡眠中の歯ぎしりは頻度が高く、気になっている親御さんも多いと思います。ただ子どもの歯ぎしりは、成長して体力がついて眠りが深くなるにしたがって自然に軽減していくことがほとんどです。歯の摩耗がそれほどでなく歯痛もないようでしたら、心配せずに見守ってあげてください。永久歯が生えはじめ、摩耗が気になるときは、生え変わりの邪魔をしないソフトタイプのスプリントを歯科医院で作ってもらうとよいでしょう。

一方、被害が多きくなりやすいのが中高年から高齢者のお口です。長いあいだ強い力にさらされてきた歯はもろくなっているうえ、歯の本数が減ってくると、その少ない本数に強い力が集中してかかり被害を拡大します。歯を守るための対策が必要になります。

ところが問題なのが、ブラキシズムを自覚している患者さんが意外に少ないということです。音を立てる歯ぎしりならば、それでも隣に寝ているご家族から指摘されれば認識することができます。しかし一人暮らしの方の場合、認識するチャンスがなかなかありません。また、音のしない噛みしめともなると、さらにチャンスは減ります。隣で寝ているご家族すら気づかず、見過ごされやすいのです。

朝起きるとあごが疲れている、歯が欠けやすい・折れやすい、被せ物が壊れやすい、歯がすり減り光沢がある、就寝前より朝のほうが知覚過敏が強い、などのお悩みを持ち、「疑わしいな」と思ったら、ぜひ歯科医師に相談してください。

睡眠時ブラキシズムの被害を食い止めるためにもっとも重要なのは「患者さんの気づき」です。患者さんが睡眠時ブラキシズムを認識し、納得してくださることが、スプリントを使って確実に被害を減らす第一歩です。

虫歯や歯周病の予防に加え、今後は力がもたらす問題にも目を向けていただくと、あなたが抱えるトラブルを解決する新たな突破口が見つかるかもしれません。


「きっかけ」は、あなたの未来を変えることができる好機です。アールクリニックを「きっかけ」に、健康な未来にしてください。皆様のご来院お待ちしております。

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