歯がグラグラする

歯周病は、虫歯と同じくプラーク(歯垢)に潜む細菌による感染症です。細菌が歯茎に炎症を引き起こし、やがては歯を支える顎の骨を溶かします。歯周病を放置すると、溶けた骨が歯を支えきれなくなり、ある日ポロリと歯が抜け落ちてしまう可能性があります。そうなる前に早期発見、早期治療に努めましょう。

1. 歯周病は予防が何より大切

歯周病の菌は、ほぼすべての人の口腔内に潜んでいると言われています。そのため、誰がいつ歯周病にかかってもおかしくありません。しかも初期の歯周病には痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づいたときには手遅れになるケースもあります。そうならないためには、何より日ごろのケアが大切です。歯周病の予防には、毎日のブラッシングがもっとも効果があります。

ただどんなに丁寧に磨いていても、ブラッシングの方法が間違っていると磨き残しが出てしまい、歯周病や虫歯にかかる可能性があります。効果的に予防するために、一度歯科医院にご相談ください。当院では、患者さんそれぞれのお口に合った磨き方を指導しております。

2. こんな症状はないですか?

  • 歯を磨くと出血する
  • 起床時に口の中がネバネバする
  • 水を飲むと歯がしみる
  • 歯が長くなった気がする
  • 歯がグラグラする
  • 口臭が気になる
  • 歯ぐきがむずむずする
  • 歯と歯の間にものがはさまる
  • 硬いものが噛めない
  • 歯ぐきを押すと膿がでる

1つでも心当たりがあったら、あなたは歯周病になっているかもしれません。油断は禁物です。すぐに歯科医院で検査を受けましょう。

3. 全身に悪影響を及ぼす怖い歯周病

歯周病は成人の約8割がかかっているといわれる病気です。その影響はお口の中だけの問題ではありません。歯周病の菌が歯茎から血管に入りこみ、全身に運ばれることで、多くの病気の原因となることが研究によってわかってきています。歯周病患者が心筋梗塞を起こす確率は、そうでない人にくらべて約2倍といわれています。歯周病菌は子宮の収縮を引き起こすため、歯周病患者が早産や低体重児出産となる確率は、そうでない人の約7倍といわれています。

その他にも糖尿病やメタボリックシンドローム、誤嚥性肺炎、関節炎、腎炎、骨粗しょう症などの発症率に深く関係しています。歯周病を予防し、健康な暮らしを守るためにも、定期検診で歯周病の早期発見や予防に努めましょう。

4. 歯周病の進行段階

歯周病はある日突然、重度の症状が出るのではなく、徐々に進行する病気です。重度になってから慌てて治療するのではなく、早い段階から予防することが大切です。ここでは、5つの段階に分けて、歯周病の進行過程を説明します。

歯と歯茎の間には1〜2mm程度のすき間があります。

歯垢(プラーク)がたまった状態を放置すると、歯茎に炎症が起き、2〜3mmのすき間ができます。

歯茎の炎症がひどくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入。歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめます。歯と歯茎の間のすき間は3~5mmになります。

炎症がさらに拡大し、歯槽骨も半分近くまで破壊が進み、歯がぐらつきはじめます。歯と歯茎の間のすき間は4~6mmになります。

歯槽骨が半分以上破壊され、歯はぐらぐらになります。歯と歯茎の間のすき間は6mm以上になります。

5. 歯周病治療に必要な検査

病気を治療するに際して、その病気がどの程度進行しているかを調べる「検査」を行う必要があります。それは病気の進行度(程度)を調べることにより、治療法や治療回数などたくさんの情報を得ることができるからです。歯周病も同様で、細かい検査をすることで歯周病の進行度を「診断」する必要があります。

5-1. 歯周ポケット検査で深さと出血を確認する

プローブとよばれる器具で歯周ポケット(歯と歯茎のあいだの溝)の深さを調べます。(0~3mm=正常値・歯肉炎・または軽度の歯周炎、4~6mm=中程度の歯周炎、6mm以上=重度の歯周炎)歯周ポケット測定時に出血の有無を確認します。歯周ポケット内からの出血があれば現在進行形であり、なければ歯周ポケットの進行がなく安定している状態と評価します。

5-2. 動揺度検査で歯の揺れを確認する

歯の揺れの大きさをピンセットなどの器具で1本1本調べていきます。歯の周りの骨が溶けてくると、支えがなくなり歯は揺れてきます。(動揺度0=正常、ほとんど動かない、動揺度1=初期の歯周病、歯が前後の1方向に動く、動揺度2=進行した歯周病、歯が前後、左右の2方向に動く、動揺度3=重度の歯周病、歯が前後・左右・上下の3方向に動く)

5-3. レントゲン検査で歯茎の中の骨の高さを確認する

歯周病は痛みが出ずに大きく進行してしまう病気です。歯周病の進行度は、歯茎を見ただけでは判断できないので、レントゲン写真によって、歯茎の中でどの程度骨が溶けているか確認します。

5-4. 歯周病菌の種類や活動状態を確認する

位相差顕微鏡検査で歯周病の原因菌を特定することができます。位相差顕微鏡とは、光学顕微鏡の一種で、口の中の細菌を確認できる特殊な顕微鏡のことです。位相差顕微鏡を用いてプラークを検査すると、歯周病菌の様子がわかります。歯周病にかかっている場合、プラークは歯周病菌の数が多く、活動性が高い様子が分かります。